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色<植本誠一郎>


絵具における色名の由来

<オレンジ>

試用顔料組成からのもの

Cadmium Orange Red Shade カドミウム オレンジ レッド シェード
Cadmium Orenge カドミウム オレンジ
Cadmium Orenge Yellow Shade カドミウム オレンジ イエロー シェード

いずれも顔料組成の名称が絵具の色名になっている代表的な例です。
カドミウム金属は硫黄と化合して黄色の発色、セレンと反応して赤色の発色を呈します。オレンジ色すなわち蜜柑色ですから硫化カドミウムとセレン化カドミウムの混合組成になっているのです。シェードとは、「〜がかった」の意味ですから、レッド シェードは赤みがかった、イエロー シェードは黄みがかったと云うことになります。

性能的な要素をいれたもの

PARMANENT ORENGE パーマネント オレンジ
この色は元々クロム酸鉛の顔料で作られていました。しかし、クロム酸鉛は硫黄との反応により黒ずむ傾向にあり、また毒性もあることから敬遠され、無毒な有機顔料に置き換え変色しにくいと云う意味を込めてパーマネント(永久不変)の名が付いたのです。


<イエロー>

試用顔料組成からのもの

Nickel Yellow ニッケル イエロー
この色の顔料は、酸化バリウムーニッケルーチタンですから、このニッケルの名が色名に使われているのです。
Cadmium Yellow Lemon カドミウム イエロー レモン
Cadmium Yellow Pale カドミウム イエロー ぺール
Cadmium Yellow Light カドミウム イエロー ライト
Cadmium Yellow カドミウム イエロー
Cadmium Yellow Deep カドミウム イエロー デイ―プ

ディープ以外は硫化カドミウムの顔料であり、ディープに関しては硫化カドミウムにセレン化カドミウムが入っています。色名は顔料名です。
レモンはレモン色、ぺールは浅い色、ライトは明るい、ディープは深い色調を意味しています。

本来の出自を明らかにするもの

Indian Yellow インディアン イエロー
名称の意味はインド黄だが、この色素はマンゴーの葉を食べた牝牛の尿より取り出されるオイキサンチン酸でした。透明色で良い色だが現在は有機顔料で作られています。
Naples Yellow ネイプルス イエロー
Naples Yellow Italian ネイプルス イエロー イタリアン
Naples Yellow French ネイプルス イエロー フレンチ

本来はナポリ近郊、ベスビオス火山の火山灰中の酸化鉛系の顔料であったらしいのです。
18世紀頃はアンチモン酸鉛が使われたようですが、今日においてはフレンチは黄土で、それ以外はカドミウム黄が使われています。
イタリアンやフレンチはそれぞれのお国風と云うことになりましょう。
Yellow Ocher イエロー オーカー
Yellow Ocher Natural イエロー オーカー ナチュラル
Yellow Ocher Pale Natural イエロー オーカー ぺール ナチュラル

Yellowは黄、Ocherは土ですから黄土色と云うことになります。材料もナチュラルの表記に見られるように天然黄土であります。


天然黄土

性能的な要素を入れたもの

Parmanent Yellow パーマネント イエロー
Parmanent Yellow Lemon パーマネント イエロー レモン
Parmanent Yellow Pale パーマネント イエロー ペール
Parmanent Yellow Deep パーマネント イエロー ディープ

パーマネント オレンジ同様、本来はクロム酸鉛の顔料であったものが、変色や毒性の観点から無毒な有機顔料に切り換え、永久不変と云うことからパーマネントの名を付けたものであります。

似たものの名称を被せたもの

Lemon Yellow レモン イエロー
Lemon Yellow レモン イエロー ぺール

柑橘系レモンの色がモデルです。ぺールはその中でも浅い色のことを指しています。
Ivory White アイボリ ホワイト
象牙のような白と云う意味であります。

印象的な要素で付けたもの

Jaune Brillant No.1 ジョーン ブリヤン No.1
Jaune Brillant No.2 ジョーン ブリヤン No.2
Jaune Brillant No.3 ジョーン ブリヤン No.3
Jaune Brillant No.4 ジョーン ブリヤン No.4

この名称は、フランス語で Jauneは黄色、Brillantは輝くであります。すなわち、人物画のハイライトに用いたネイプルス イエローが原形なのです。それが裾野を広げて肌色となったものがジョーン ブリヤンなのです。
Gold Ocher ゴールド オーカー
黄土類は周囲の色との関係で金色に見えるものですが、この絵具は正しくそのように感じられる色であります。
Aureolin オーレオリン
ラテン語で黄金色を表わす言葉であります。
Greenish Yellow グリ二ッシュ イエロー
緑みの強い黄色で色彩としては特異な色です。

次回はグリーンを解説します。

   
(2005/06/30 update)
   
         
 
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