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色<植本誠一郎>


絵具における色名の由来

<グリーン>

使用顔料組成からのもの

Cobalt Green Pale コバルト グリーン ぺール
Cobalt Green コバルト グリーン
Cobalt Green Deep コバルト グリーン ディープ

コバルトグリーンの顔料は酸化亜鉛とコバルトの固熔体で、とても丈夫な性質を有しています。色名はこのコバルトからきていますが、そもそも金属であるコバルトとはどのような意味を持っているのでしょうか。コバルトの名称は、一説によればギリシャ語のKobalos(鉱山)にあると云われていますが、はっきりしていることは1730年にスウェーデンのゲオルク・ブラントが、自国のヴェストマンラントの銅鉱山から採掘された暗青色鉱物中の未知の金属に、当時ドイツで使われていたのと同様のCobaltの名称を与えたのです。
それではドイツにおけるこの名称の意味はなんだったのでしょうか。16世紀ドイツ・ザクセン地方において銀の採掘が盛んでありました。鉱夫達は銀が採れるものと思い暗青色の鉱石を採掘し精練したのですが、銀は採れずむしろ体に有害な事ばかりでした。それもそのはず鉱石はスマルト鉱(砒化コバルト)だったのです。鉱夫達はこれらの事態は「地中に住む妖精の悪戯」(Kobald)と思いこの鉱石にKobaldの名称をつけたのでした。
コバルトグリーンぺールは、コバルト顔料による浅い緑色、同ディープは深い緑の事です。


マラカイト(孔雀石・岩緑青)

Cadmium Green カドミウム グリーン
Cadmium Green Pale カドミウム グリーン ぺール
Cadmium Green Light カドミウム グリーン ライト
Cadmium Green Deep カドミウム グリーン ディープ
カドミウム金属による緑色のことで、浅い(ペール)、明るい(ライト)、深い(ディープ)と各色調があります。赤、橙、黄色にもカドミウムの名称がありますが、この名は1817年ゲッティンゲン大学のフリードリヒ・シュトロマイヤーが亜鉛華中の黄色成分を分離し、これに亜鉛華の原料である菱亜鉛鉱(炭酸亜鉛)の名称Calamin(カラミン)やCadmia(カドミア)からCadmium(カドミウム)と命名したことに始まります。カラミンの真の姿は菱
亜鉛鉱と一緒に産出する異極鉱のことですから複雑な話です。
Oxide of Chromium オキサイド オブ クロミウム
色名の直訳は酸化クロムとなり、この顔料で出来た色となります。
クロミウムは1798年パリでニコラ・ルイ・ヴォークラントにより発見されました。シベリア金鉱山の赤色鉱石の分析から未知の元素を単離し、これがさまざまな色を呈することからギリシャ語のChroma(色)に由来してChromeクロム(フランス語)と名付けたのです。英語でChromium(クロミウム)と云います。オキサイドは酸化の意味です。
Terre Verte テール ベルト
Terre Verte Verona テール ベルト ベローナ

テールは土、ベルトは緑で色名は顔料の緑土をさしています。緑土の産地はいろいろありますが、ベローナはその中のイタリアの一地方名であります。
Prussian Green プルシャン グリーン
黄色顔料にプルシャン ブルーを加えて作る色です。プルシャン ブルーとは、1704年プロシャの都ベルリンにおいてディースバッハとディッぺルが作り出した顔料で、その時の国名が付けられています。
Compose Green コンポーズ グリーン
名称の意味はコンポーズ(構成)ですから、幾つかの顔料で色を作っていることを表わしています。

出自を明らかにするもの

B aryte Green バライタ グリーン
この色名の本来の顔料は、マンガン酸バリウムであります。バライタとは水酸化バリウムのことですが、絵具の分野ではバリウムを使ったものにこの名称が使われます。
バリウムとは、重いというギリシャ語Barys からきています。ついでにマンガンは、ラテン語のMagnes(磁石)とかMagnesia Nigra(軟マンガン鉱)といわれています。
現在、この絵具にはフタロシアニン緑+チタン白で作られることが多いのです。
Cinnabar Green シナバー グリーン
Cinnabar Green Light シナバー グリーン ライト

この名称の語源に関しては余りはっきりとしないのですが、二つ程の説があります。
その一つは、この絵具がシナバーすなわち朱のような隠蔽性があると云うものでケルダイクが述べています。もう一つは、焼き物の釉薬の中に辰砂釉というものがありますが、これは条件により赤にも緑にもなります。辰砂はシナバーですから、ここに名称の関係があるとするものです。
Emerald Green Nova エメラルド グリーン ノーバ
名称の本来の意味は宝石のエメラルドの色をさしていますが、以前は毒性の強い酢酸銅―亜砒酸銅でありました。しかし問題が多く、現在では無毒な有機顔料を使い名称も新しいというNovaをつけて使われているのです。
Sap Green サップ グリーン
この名称はクロウメモドキの果汁から作る緑色だが、油絵具では有機顔料で作ります。

性能的な要素を入れたもの

Permanent Green パーマネント グリーン
Permanent Green Pale パーマネント グリーン ぺール
Permanent Green Light パーマネント グリーン ライト
Permanent Green Deep パーマネント グリーン ディープ

これらの色の本来の顔料は、クロム酸鉛を使ったものでありました。しかし、クロム酸鉛は変色し易く毒性もありました。そのため優秀な有機顔料が開発されると顔料が置きかえられ、永久不変のパーマネントの名称が付けられるようになりました。

似たものの名称を被せたもの

Olive Green オリーブ グリーン
熟したオリーブの実の色に似せて作った色であります。
Viridian ビリジャン
Viridian Hue ビリジャン ヒュー

ビリジャンはラテン語で緑の意味です。ヒューは色相の意味で本来の顔料ではないが、色が同じですと云う意味です。


オリーブの実 左:完熟前 右:完熟後

印象的な要素で付けたもの

Oriental Green オリエンタル グリーン
オリエンタルとは、緑青や青磁の持つ東洋的なイメージであります。

次回は<ブルー>を解説します。

 
(2005/07/29 update)
 
         
 
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