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色<植本誠一郎>


水彩絵の具における色名の由来

<黄>

Aureolin オーレオリン
透明水彩→チューブ
ラテン語で黄金の色と云うことです。

Brilliant Orange ブリリアント オレンジ
透明水彩→チューブ
明るい橙色の意味です。 

Cadmium Yellow カドミウム イエロー
ガッシュ→チューブ
顔料が硫化カドミウムの黄色だからこの名があります。

Cadmium Yellow Deep カドミウム イエロー ディープ
透明水彩→チューブ
カドミウムの黄色で深みの色調。

Cadmium Yellow Lemon カドミウム イエロー レモン
透明水彩・ガッシュ→チューブ
レモン調のカドミウムの黄色。

Cadmium Yellow Light カドミウム イエロー ライト
透明水彩→チューブ
明るいカドミウム黄の意味。

Cadmium Yellow Orange カドミウム イエロー オレンジ
透明水彩・ガッシュ→チューブ
橙色味のカドミウム黄。

Cadmium Yellow Pale カドミウム イエロー ペール
透明水彩→チューブ
浅いカドミウムの黄色。

Deep Yellow デイープ イエロー
ポスターカラー→チューブ
透明水彩・ガッシュ→ケーキカラー
深い色調の黄色。

Gamboge Nova ガンボージ ノーバ
透明水彩→チューブ
この色名は、インドシナ地方のオトギリソウ科の雌黄樹の樹皮から得られる褐色の樹脂のことであり、ガンボージの語源は、インドシナのCambodiaカンボジアからきています。すなわち産地の名が絵の具の名前になっている代表的なものであります。ヨーロッパでは油彩画に使用されている例もあるようですが、使用例の多くは水彩画にその存在を見出すことができます。その昔、ガンボージはプルシャンブルーと合わせてフーカスグリーンを作りました。東洋では、雌黄や籐黄と呼ばれ昔から黄色の重要な絵の具として使われています。洋画における「本物のガンボージ」は既に無く、有機顔料などの混色になり、名称も「新しい」意味のラテン語「ノーバ」を付けて呼ばれます。

Greenish Yellow グリニッシュイエロー
透明水彩→チューブ
緑みを帯びた黄色の意味です。

Indian Yellow インディアンイエロー
透明水彩→チュ−ブ
この名称は、18世紀半ばから用いられています。文字通り「インドの黄色」であります。製造法は、インド・ベンガル地方で牛にマンゴーの葉を食べさせ、出てくる尿を集めて濃縮しピューレといわれる丸い塊を作り、これを粉にして「黄色顔料」として用いられました。成分はオイキサンチン酸マグネシウム塩あるいはカルシウム塩であります。製造法に無理があるために現在では、優秀な有機顔料に置き換えられています。

Jaune Brillant ジョーンブリヤン
透明水彩・ガッシュ→ケーキカラー
フランス語で「輝く黄色」の意味を持つこの絵の具の由来は奥の深いものがあります。
ジョーンブリヤンの基になる色は「ネイプルスイエロー」であります。
ネイプルスイエローは本来「アンチモン酸鉛」ですが、中世の頃にイタリア・ナポリで使われた事からその名がありました。ネイプルスイエローはイタリアでギァロリーノと呼ばれた黄色の顔料と同一視する研究もありますが、ギァロリーノは「錫―鉛―黄」で全くの別物と現在では考えられています。

Jaune Brillant No.1 ジョーンブリアン No.1
Jaune Brillant No.2 ジョーンブリアン No.2
透明水彩・ガッシュ→チューブ
色名については、上記の通りですがNo.は色相区分のものです。
1は黄みだちで2は赤みだちの傾向であります。
ジョーンブリアンは「人物の肌の色、ことにハイライト」に使用されることからフランス語の「輝く黄色」のことが理解されます。そして、肌色としての理解からバリエーションがあることも成る程と頷けます。

Lemon レモン
透明水彩・ガッシュ→ケーキカラー
色名は「檸檬色」ですが、昔と現在ではレモン色が違っていたらしいのです。
レモン色の名が歴史に登場するのは、16世紀末でその色は「クリーム色」のようであったらしいのです。現代のレモン色は、19世紀にクローム酸鉛の黄色の顔料が開発された時に、現在我々が良く目にする「レモン」の色に近いので「クロームレモン」の名が付けられたと云われています。

Lemon Yellow レモンイエロー
透明水彩・ガッシュ・ポスターカラー→チューブ
色名由来は上記の通りですが、レモンと云えば即、色の連想が出来るのにわざわざイエローを付けるなどは手の込んだ呼び名であります。

Marigold マリゴールド
ガッシュ→チューブ
アフリカ原産の千住菊の花の色で日本でいう山吹色。マリゴールドの色名は17世紀から使われていてMariはMaryでマリアのこと。清純な意味を持つのでしょう。これに黄色を連想させるgold金をくつけた語が色名であります。

Naples Yellow ネイプルスイエロー
透明水彩・ガッシュ→チュ−ブ
色名由来は前記の通りでナポリで使われた黄色の意味であります。

Naples Yellow Italian ネイプルスイエローイタリアン
ガッシュ→チュ−ブ
ネイプルイエローの中で「イタリア風」あるいは「イタリア人好み」程度の「イタリアン」の意味であります。がしかし、ネイプルスがそもそもイタリアなのに何か変です。

Orange Yellow オレンジイエロー
ポスターカラー→チュ−ブ
文字通り「赤みがかった黄色」の意味です。英語のオレンジの語は16世紀から使われているようで大変に古いもので、いわゆる蜜柑の色から採られた色名であります。日本では、オレンジ色を橙色と読んできましたが、「橙」の漢字が教育現場から消えましたから、いまでは「オレンジ色」と呼ばれています。

Permanent Yellow パーマネントイエロー
ガッシュ→チューブ
「永久不変の黄色」が色名の意味です。それまでに耐光性の弱い絵の具があったのに、新しい顔料が「優秀」な場合にこの名が用いられます。

Permanent Yellow Deep パーマネントイエローディープ
透明水彩・ガッシュ→チューブ
永久不変の黄色の色調の深い色。

Permanent Yellow Lemon パーマネントイエローレモン
透明水彩→チュ−ブ
永久不変色の黄色のレモン色。

Permanent Yellow Light パーマネントイエローライト
透明水彩→チュ−ブ
永久不変色の黄色の明るい色。

Permanent Yellow Orange パーマネントイエローオレンジ
透明水彩・ガッシュ→チュ−ブ
永久不変色の黄色のオレンジ色。

Yellow イエロー
透明水彩・ガッシュ→ケーキカラー
「黄色」です。

Yellow Ochre イエローオーカー
透明水彩・ガッシュ→チュ−ブ、ケーキカラー
ポスターカラー→チュ−ブ
「黄土」の意味です。イエローオーカーの語は15世紀には使われています。

次回は<緑色>です。

 
(2006/2/20 update)
 
         
 
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